【完】復讐の元姫



別に、相談する気はなかったんだけどな。



俺が母親と話すだけで親父がうるせぇから。



いまはまだ、帰ってきてねぇから言ってるだけだけどな。



「……元々、俺の隣にいたらおかしいんだよ」



いまの時代、一部に残っていたとしても、地位というものは存在しない。



でも、仕方がないことだ。



それがないと、俺らの関係は成り立たなくなる。




「俺があの組織のトップなら、

アイツはその中でも下の方のヤツだ」



挙句の果てに。



「裏切りの疑惑までかけられた人間を、俺が自分の女にしたら、」



アイツが、間違いなく傷つく。



『私っ、短かったけど一緒にいられて嬉しかったよ』



そう言って、千夜は泣きそうな顔で微笑んだから。



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