【完】復讐の元姫
「奈々も、おはよ」
私を睨んでいた女子と一緒にいた奈々は、ふふっと笑って。
「おはよう、シオ」
その挨拶に安心して、自分の席にカバンをかける。
財布とスマホは持ってるから大丈夫、と。
「お前、どっか行くの?」
「……担任が探してたって、沙和が言ってたから」
「あー、なんか探してたわ」
そう言った凌は、軽く伸びをして。
「お前ひとりじゃ大変だろ。手伝ってやろうか?」
「え、いいの?」
「どうせ暇だしな」
軽い運動だ、と言った凌がなぜかついてきてくれることになり。
私たちは、職員室に向かうことにした。
その間、会話は前ほど弾まない。