花のような笑顔
〜 狼 side 〜

目の前の光景が信じられなかった。
ここまで華を追い詰めたのは俺だったのかも知らない。


華が銃を放つ前に見せた笑顔は、今までで一番綺麗だった。

そんな笑顔今見せてほしくなかった。


それからの俺は酷かった。
倒れた華を駿と潤に預けて、笹村組の組長もろともボコボコした。

華を預けてからの記憶はなかった。

ただただ、こんな悲劇を招く元になった笹村組のやつらが許せなくて咲子も女だろうが組長と変わらないぐらい殴り続けた。

親父に止められるまで俺は殴る手を止めなかった。


止められた後、俺も意識を失った。
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