キラキラ〜不良な君に恋してる〜
「おいし…です…」
「泣くか食べるかどっちかにしろよ」
「…ううっ…食べますー」
泣きながら、うどんをすする私に呆れ顔の葵くん。
自分でも、自分の感情がコントロールできなくて戸惑う。
どうしてこんなに泣いているのか。
悲しいわけじゃないんだ。
そんな風に生きてきたことが、悲しいわけじゃない。
それが普通なのだと、思っていたし。
別に、期待などしていないのだから。
ただ、嬉しかった。
葵くんが、優しく看病してくれることが。
このうどんが、とってもおいしいことが。
ただ嬉しかったんだ。
「…後で、話聞いてやるから」
「……っ、はいっ」
怒っていただろう葵くんは。
そんなそぶりも見せず、許してくれて、話も聞いてくれようとする。
髪は金髪で、悪い噂ばかりの葵くん。
こんなに彼は、優しいのに。
「わかったら、さっさと食え!」
「はい…」
でも、少し言葉は悪いみたい。