しろっぷ
 そして、今日もいつものような調子で仕事が始まった。
 途中何処からか書類の追加が3回あったが、貴人は物ともせず仕事は進む。

 今日は本当に早いな。
 というより、いつもこれくらいのスピードなんだけどね。

 ゆかりはまだ『しろっぷ』のことだとわかっていなかったのだが、仕事に忙し過ぎてそれどころではなかった。
「ゆかり、アレ!!」
「は、はい」
「どうした?今日は7秒ほど遅いぞ?」
「すみません・・・」
「しっかりしてくれよ?ゆかりだけが頼りなんだから」
「・・・はい」
 そう言いながら、ゆかりは貴人にアレと言われたものを手渡す。
 よっしゃ〜。
 貴人にバレないよう、小さくガッツポーズ。
「ゆかり〜」
「は、はい!!」
「もうすぐここの仕事終わるから、外に行く準備をしておけ」
「外に?でも私は今日は別の件で・・・」
「何だ聞いてないのか?小川にその件、ちゃんと連絡しておいたぞ?」
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