しろっぷ
 そう自身に信じ込ませたのだが、優香里の周りを歩いていた通行人は明らかに避けているのがわかる。
 その恐怖がだんだんとゆかりの方へと向かって来て、ゆかりの頭の中が徐々にうまく回らなくなってきていた。

 あ、アレ〜?
 た、た、多分偶然だよ偶然。
 あの人たちは偶然そっちに用があったからで優香里さんは何の関係・・・。

 無意識に身体は助手席の下に潜り込み、優香里たちに存在を気づかれないよう身を潜めた。
 ガチャ。
 と、急に運転席側のドアが開き、何かを持った貴人は不思議そうな顔でゆかりを見ていた。
「何やっているんだ?」
「え?」
「だから助手席の下に潜り込んで何をやっているんだ?」
「・・・不審な人物、そう不審な人物がですね、その辺にいましてね、例の手紙を書いた人かも!!」
「いやそれはないな」
「それはない?」
「あ、いや、違うんじゃないかな?」
「もしかして貴人さん、相手がだ・・・」
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