しろっぷ
 それはただ単に皿洗いを怠けてしまうことを防ぐためだったのだが、貴人は勘違いをしていた。
「ゆかりは家に帰っても働き者だな」
「そ、そうですか?これくらい普通ですよ!」
「そうか?オレは家庭的でいいなって」

 よっしゃ!!

 貴人にバレないよう小さなガッツポーズをし、楽しみながら皿洗いをしたのであった。
「・・・ゆかり」
「はい?」
「今度の週末の休み、空いてるか?」
「特に予定は・・・」
「ならオレの親父に会ってくれないか?」
「・・・え?」
「ゆかりを紹介したいんだ」
「え!?」
 と、ゆかりは持っていた皿を落としそうになり慌てて落ちないように掴む。
 その皿を一度シンクに置き、蛇口の水を止めて貴人に確認を取った。
「た、貴人さん、それってもしかして・・・」
「ああ。先日ゆかりが秘書の仕事をしてもらった時に電話があってな」
「あの時の・・・」
「何かまずかったか?」
「そんなことはないです!!」
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