しろっぷ

　そのため、司が挙げた手に気づいておらず、今度は手を大きく横に振ってアピール。
　するとようやくオーナーがそれに気づき、特に慌てる様子なども見せず二人のとこへ。
「・・・いらっしゃいませ」
「すみません。レモンティーと・・・僕は何にしようかな。オレンジ？リンゴ？」
　
　もう司君の行動の一つ一つが可愛い。
　もっと悩んだ顔を私にだけ見せて〜。

　先ほどの正志と違った対応するゆかりの目は乙女のようなウルウルしていた。

「僕はオレンジジュースで。ねえ、他に何か頼む？」
「う、ううん」
　笑顔を作り遠慮がちのゆかり。
　それは司の言動に胸いっぱいもあったが、ファミレスでお腹がいっぱいだからだ。
「・・・以上でよろしいですか？」
　ボソっとオーナーは二人に確認。
「それでいいよね？」
　司は笑顔でゆかりに確認し、ゆかりは大きく頷いた。
「・・・お待ちくださいませ」