しろっぷ
「何か予定あった?」
「全然、ヒマだよ」
「ならついでにどっか行こう?」
「そ、それはふ、ふ、二人でってこと?」
「うん。もう一人のゆかり姉は結婚しちゃって家にはいないから・・・」
 そう言った司の横顔はどこか寂しげ。
 しかし、ゆかりにとっては笑顔よりお気に入りでスマートフォンの待ち受けにしたいほど。
 もっと言えば、寂しげな司を自分が後ろから抱きしめて慰めている感じの待ち受けが欲しかった。
「じゃあ今日は帰る」
「え?もう?」
「大学のレポートが残ってて」
「そうか、じゃあ明日ね」
「うん・・・ゆかり姉」
「何?」
「ううん何にもない。帰ろうか?」
 席を立った二人はオーナーの前に代金を置き、クラシックのジャマにならないよう、店を後にした。
 つーちゃんまた明日ね。
 本当は一緒に司の家まで行きたい気持ちをグッと堪えて、喫茶店前で手を振った。
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