しろっぷ
 またこのバカ社長は〜。
 つーちゃんと私の恋をジャマしようなんてそうはいかない。明日は絶対に休んでやるんだから。

 そう意気込んでみたが、やはりそれをする勇気はなかった。
 こちらも過去同じように休日出勤。
 その日は体調を崩したため行けないことを伝えるが聞いてもらえず、一方的に電話を切った。
 ゆかりは電話の電源を落とし、家で安静にしていたところ、貴人がゆかりのマンションに現れ、無理やり会社に連れて行かれた。
 そのようなトラウマがゆかりの選択肢は一つしかなく、結局素直に会社に行くしか他ならなかった。
「もう最悪〜。何であんな自己チュー大バカ野郎が会社の社長なわけ〜」
 しかし、明日会社に行くのは確実という事実は変わりなく、幸せな休日が一気に脆く崩れた。
 あっ!?
 ゆかりは先ほどのハンカチのおかげを作った『しろっぷ」のことが頭によぎり、ワラをもすがる気持ちでタクシーを拾った。
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