しろっぷ
 しかし、ゆかりには実感が湧かないのか、新田がどれだけ一生懸命説明しようともそれは変わらなかった。
 それから一通り見え終えた一同は、最初のリビングへと戻り、そこに始めからあったテーブルに着席すると新田は早々に尋ねた。
「それで近藤様、どうなさいましょう?」
「どうするゆかり?」
「どうするって言われても・・・」
 チラッと新田が持っていた資料を目で捉えたゆかりは突然顔が変わった。

 1億5000万円!!
 そんなとこに住めってムリムリムリムリ!!!!!

 値段を見て一気に現実に戻され、アラウンドアフリーの時みたいに慌てた。
 これは夢に違いないと太ももをつねって夢から覚めようとした。
 痛っ!!
 だが、その痛みで現実だと知ると大量に汗をかき、何とか落ち着こうと貴人と新田にバレないよう小さく深呼吸をした。
「ゆかり大丈夫か?すごい汗だぞ」
「大丈夫です」
「冷たいお飲みでも出しましょうか?」
< 86 / 306 >

この作品をシェア

pagetop