しろっぷ
 そこから見える夜景は輝きと美しさを表現したい別世界。
 ズルズルズルーーー!!
 その世界も恭子の下品で大きな音で台無しにになり、ゆかりもとうとう呆れてしまった。
「ようこそおいでいただきました近藤様」
 二人の前に体格のいいシェフが現れ、シェフのトレードマークの帽子を脱いで挨拶をしてきた。
「しばらく」
「確か前回来店さ・・・」
 チラッとゆかりの方を見たシェフは、人が違っていることに気づき、言葉を詰まらせた。
「きょ、今日は例の件を」
「か、かしこまりました。すぐに持ってこさせますので」
 シェフは近くにいたウェイターに告げ、そそくさと厨房の中へ。

 ぷっ、ハンカチくらい使えばいいの。
 こんな貴人さん始めて見た。

 貴人は顔にかいた汗を手で軽く触れるように拭き、ゆかりから何も言われないよう目線を明後日の方向へ。
 それからすぐに先ほどシェフに言われたウェイターが現れ、帳簿などを貴人に渡した。
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