Trick or Treat【後日談】
秋と二人きりなんて今までも沢山あったし、むしろそっちの方が多かったのに、こんなにもドキドキするのは何でなんだろう。
「何してんの?早く入れよ」
「あ、う、うん……!」
慌てて靴を脱いで、秋のお部屋にお邪魔する。
「何か飲み物持ってくるから、待ってて」
「あっ、秋!お皿とフォークも持ってきて欲しいんだけど……」
「皿?」
怪訝そうな顔をする秋に、うん、と頷く。
「あの、秋と約束した通り、秋のためだけにお菓子……というか、ケーキ作ってきたから!」
今日はそれを食べてもらうために、ここに来たのだ。
秋は、一瞬驚いた顔をした後、嬉しそうに笑った。