歩道橋で会おうね。
「ハルキ。
ボクはハルキのこと、あんまり知らない。
ハルキはあまり自分のことを話さないから。
でもボクはハルキの味方でいる。
それだけは信じていてほしい。
この間、お兄ちゃんに言われたんだ。
明るくなったなって。
ボクが明るくなったのは、ハルキのお蔭だよ。
だからボクは、ハルキの味方でいたい。
ハルキがボクを嫌うことがあっても、ボクがハルキを嫌うことはないから。
何かあったらボクに話して。
ボクがハルキの力になるから!」
どこかの青春ドラマみたいなクサい台詞。
それなのに。
…僕は泣きだした。
颯天は慌てていた。
その慌てっぷりが面白くて、僕は笑った。
「忙しい人だね、ハルキは」と言って颯天も笑った。
颯天は僕の親友だ。
僕が颯天を見捨てる日など、あり得ない。
そんなこと、あるもんか。
僕自身で止めてみせる。
「ハルキぃ、良いかぁ?」
笑いあう僕らの元へ来た、小野照也。
相変わらずウワベだけの関係の人を連れている。
「行ってくるね颯天」
「うん。
鞄、教室に持って行くから、貸して」
「ありがとう颯天」
僕は颯天に鞄を預け、小野の後を追った。