歩道橋で会おうね。






「ハルキ、コイツら覚えているか?」



真島の後ろに立っていた、2人の男子。



「…小野に、…颯天のお兄さん」

「おい水川。
俺のこと名前で呼ばねぇのかよ。
んだよ颯天のお兄さんって」

「晴実くんだよね?」

「…おぅ」



確か、颯天のお葬式の日に会って以来だ。

その後僕は記憶を失ったから…。



「小野に聞いた。
お前、颯天のこといじめてねぇんだな」

「…」

「黙るな、真実を言え」

「…いじめてはないけど。
でも、僕が颯天を、守れなかったんだ。
颯天は親友だったのに」

「…守れなかったのは、俺も同じだ。
俺はアイツの双子の兄貴なのに、真島のように守ってやれなかった。
くだらねぇ嫉妬で、颯天を見ていなかったんだ。
お前だけが悪いんじゃねぇよ」

「…」

「お前は颯天のこと守ったんだろ?
颯天も颯天だ。
言わなかったんだろ?
自分がいじめられていること。
それなのにお前が守れなんて言えねぇよ。
アイツ自身が声を上げねぇと、誰もわからねぇ」

「…」

「自分を責める必要はねぇよ。
ただ、お前は自殺するなよ。
もしお前が自殺したら、俺はお前を憎むから」

「…大丈夫だよ。
そんな心配しないでも」



晴実くんはニコリと微笑む。

その笑顔は、颯天に似ていた。

さすが双子だな、と思う。







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