歩道橋で会おうね。
☆ハルキside☆
目の前で、声を失っていた時期があったとは思えないほど綺麗な歌声を披露するアオ。
立ち止まり見る人も僕も、その歌声に心を奪われていた。
僕は持っていた鞄から、愛用のギターを取り出した。
病室で聞いたことあるから、ある程度の音程は覚えている。
途中から、僕は弾きだす。
アオは驚いたように僕を見た後、ふわりと微笑んだ。
まるで花が咲くように、その笑顔は可愛らしい。
歌い終わると、アオと僕へ盛大な拍手が送られた。
アオも僕も、小さく頭を下げ、その拍手に答えた。
「アオッ!」
「アユ!聞いていてくれた?」
「勿論だよアオ!
うぅ…本当に復活できて良かった。
あたし…アオの友達で良かったよォ」
「アユ泣かないで~」
子どものように泣きじゃくる真島さんを、アオは笑顔で抱きしめる。
「ハルキ」
目の前には真島が立っていた。
「このお騒がせ野郎め。
あーちゃんから聞いて、全員で探したんだぞ」
「そうよハルキ。
あんまり迷惑かけないでね」
幸せそうに微笑む真島と羽菜さんを見て、僕もつられて笑う。