歩道橋で会おうね。








〈アックンに聞いてみれば?〉

「うん…そうしてみる」



オムライス弁当を食べ終えたアユに、私は聞いてみた。



〈アユ、私に隠していることない?〉

「…」

〈本当は触れてほしくない話題かもしれないんだけど。
さっき吾妻くんが言っていた“罪”が気になって…。
アユは大事な幼馴染で親友だから、疑うつもりはないんだけど。
…ハルキくんと、何かあったの?〉



吾妻くんが一体どこの何者なのかはわからない。

でも、吾妻くんは何かしら知っている。

多分…私が声を失った原因も。




「…ごめん、アオ」



静かにアユは泣きだした。

私はそっとアユの手を握る。




「隠していること、沢山ある」



あったんだ…。

まぁ幼馴染だからと言って、何でも話すわけじゃないよね。



「…でも、今は言えない。
あたしとお兄ちゃんと、ハルキくんのことも」



ハルキくん、関わっているんだ…。






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