The second partner ~夢と英雄と雪解けの記憶~
手を振りながらこの場を後にした俊哉。


私は改めて、俊哉が預けた荷物を眺めた。




俊哉の苗字は覚えていなかった。


だけど、この名前はよく覚えている。




祖父母が住んでいた家の斜向かいに住んでいた俊哉。


いつも彼の家の裏にあった空き地に近所の子どもたちが集まり、私もこの町を訪れた時には、時々その中に交じって彼らと一緒に遊んでいた。




―――懐かしい……。




彼との再会は何かの縁なのだろうか?




まさか、15年も会っていなかった幼馴染と今頃になって再会するなんて……。


この町に住んで5年も経つのに、こんな事は初めてだった。
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