鳥籠の底は朱い道
『お前は殺すために生きている』
そんな黒馬の言葉が自分の頭の中に響く。
オレが生きている理由は親父がいるから。その親父が生き物を殺せというからオレは生き物を殺す。だから敵対するこの黒猫をオレは殺す。
……それがおかしい。
オレはオレのはずだ。だと言うのにどうしてオレは親父の言うことを聞かないといけない。
本当にオレの生きる理由が親父のためなのか。それがオレの望みだとでもいうのか?
……そうか、オレの望み。この力を使ったオレの望みがない。だから一番近くになった親父の望みが勝手にオレの望みになっていたのか。
だったらオレにもこの力を使った望みがあればいい。親父の望みなどどうでもいい、オレだけの、オレだからこその望みが欲しい。
だからまず、
「オレはクロを殺さない!」
この勝手にクロを殺そうとする体を制御しないといけない。
しかし思えば簡単なこと。あっさり朱道の体は言うことを聞き動きを止めた。
驚くことはない。この体は誰のものでもない朱道のものなのから。
「にゃぁ」
何を知ったのかクロの目にはもう敵視するような色はなく、いつもの未来を見据える目がある。
しかも初めて聞いたような弾む声だった。
そんな黒馬の言葉が自分の頭の中に響く。
オレが生きている理由は親父がいるから。その親父が生き物を殺せというからオレは生き物を殺す。だから敵対するこの黒猫をオレは殺す。
……それがおかしい。
オレはオレのはずだ。だと言うのにどうしてオレは親父の言うことを聞かないといけない。
本当にオレの生きる理由が親父のためなのか。それがオレの望みだとでもいうのか?
……そうか、オレの望み。この力を使ったオレの望みがない。だから一番近くになった親父の望みが勝手にオレの望みになっていたのか。
だったらオレにもこの力を使った望みがあればいい。親父の望みなどどうでもいい、オレだけの、オレだからこその望みが欲しい。
だからまず、
「オレはクロを殺さない!」
この勝手にクロを殺そうとする体を制御しないといけない。
しかし思えば簡単なこと。あっさり朱道の体は言うことを聞き動きを止めた。
驚くことはない。この体は誰のものでもない朱道のものなのから。
「にゃぁ」
何を知ったのかクロの目にはもう敵視するような色はなく、いつもの未来を見据える目がある。
しかも初めて聞いたような弾む声だった。