偽りの小悪魔ガール



「おはようっ友里ちゃん」

「友里ちゃん可愛い~!」

「今日一段と美人!!」



カフェの飾りに施された教室に入るなり


一気に注目の的になるのは、あたしの日課。



「え~そうかなぁ?ありがとうっ」


小さく肩をすくめて照れ笑いを返すと

「「かわいい!!」」


いい加減、お世辞でもしつこいその台詞が

かえってきた。



まぁ、一段と可愛いのも同然よね?


だって、今日は綺麗な艶のあるロングヘアーを


わたあめのようにふわっふわに巻いて

いつもはストンとまっすぐ下ろしている前髪も

くるっと巻いて横に流す


スペシャル可愛いあたしだもん。





「友里~トイレいかない?」

「いいわよ、あっじゃあみんなまたあとでねっ!」



あたしは机の周りに集まる女子に手を振ってその場をあとにした。







「はぁぁぁ...」


「朝からお疲れ友里さん」



誰もいない西校舎の女子トイレ。



一気に肩の荷が下りたようにあたしは


便器のふたの上に腰掛けて


髪の毛をとかす美姫をみた。


「あたし、美姫みたいになりたいわ」

< 19 / 56 >

この作品をシェア

pagetop