偽りの小悪魔ガール


「友里おはよう!」

「...あ...おはよ美姫」


ぐったり疲れたあたしは

机に顔を埋めた。


「全く朝から可愛い笑顔振りまいたりするから寄って来るんだよ。そんなの放っておいたって、逆に゛魅惑的゛なんて人は寄ってきちゃうくらいなんだからガン無視しちゃえばいいの!」


あたしの髪の毛をするするっと指ですくって

そう言ったのは親友の美姫(みき)。


「だって...あたしは...みんなのアイドルだもんっ」


あたしはそういって美姫にウィンクしてみせる。

「はぁ...。いつもご苦労様です~友里ちゃん」

「バカにしないでよっ」

「してませんけど?」


あたしは西条友里(さいじょう ゆり)。

高校2年生の17歳。


ふわっと色素の薄いロングヘアーに真っ白な肌。

くりくりと大きな瞳と長い睫毛が

チャームポイントで、ほんのりピンクの

唇とその横にあるホクロはセクシーだなんてよく言われる。


そんなあたしはみんなの前では

精一杯可愛い女の子を.....演じてる。

ちょっと天然で抜けてて守りたくなるような

ふんわりした感じの。



でも本当は自分が一般的に

可愛い女の子の分類にいることくらい

17年チヤホヤされて生きてきたんだもん承知の上。



それならなんで演じているかって?

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