イチャ恋レシピ
キミの瞳を間近で見つめると、キミは目を真ん丸にして見開いていて。
その後、頬を更に赤く染めたキミは、ぎゅっときつく瞼を閉じた。
ゆっくりと近付き、キミの唇に僕の唇をそっと重ねると、うるさい位に打ち付ける鼓動。
それを感じながら、ゆっくりとキミから離れる。
自分を落ち着けさせようと、冷静さを装って…
「…もったいないからね?」
という台詞を僕が言うと、キミは
『そ、それは…そうだけど。
もう…バカっ!』
と、照れ臭そうに僕の左手をギュッと握りしめた。
キミは多分、分かっていない。
僕が何で
『もったいないからね?』
と言ったのかを。
でも、あえて言うのは止めておこうと思うんだ。
だって、きっとキミはまた、恥ずかしさの余りに緊張してしまうだろうから。
「すごく楽しそうだよね?
私をあんまりイジメないでよ…?」
「楽しいに決まってるよ。
でも、イジメているつもりはないんだけどな。
キミは楽しくない?」
「た、……楽しいよ?」
「そう。良かった。」
キミに微笑みかけながら、僕は胸を撫で下ろした。
キミが、僕の衝動に追い付いて来てくれるまで、ゆっくりと気長に待つつもりではいるけれど、二人きりでも緊張しないで居られる位には頑張って貰おうかな。
オーブンを温める振りをして、こそこそとメールを打ち、遅れて来る予定の友達へ送信。
『悪いけど、やっぱり今日は来ないで。』
その友達から、キミの方へ『行けなくなった』っていうメールが届いたら、キミはどう反応するんだろう。
ちょっと、楽しみ。
いや、スゴく。
二人でイチャイチャしたくなる様に、
キミを、ゆっくりじっくり調理してあげる。