愛されたがり。




癒しが欲しい。

優しくされたい。

拠り所が欲しい。




ふと思い浮かぶのは、広瀬くんの笑顔だ。


本来浮かぶべき筈なのは恋人である森芝さんなのに、どうして、私は彼を思い浮かべるのだろう。



ぐちゃぐちゃだ。

それに、なんて私は嫌な女なのだろう。



昔からこんなではなかった。


初恋は小学校だったと思うけれど、中学校は色恋なんてものは殆どなく、高校生になって初めて彼氏が出来た。


それから……ああ、私、大学に来て変わったのだ。


ううん、歳を取って、浅ましく卑しく強かな”女”になった。



お酒を覚えて、男を覚えて、遊びを覚えて、持て囃される快感を知った。


大学に入って、高校よりも世界が広がった。


様々な事を知った。

たくさんの男が私にアプローチしてきた。


それを私は、楽しんでいたんだ。




いつまでも少女のつもりでいたけれど、もう既に、大人の女性だったということ。


その事実に私は、ショックを受けている。



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