涙空*°。上
―凜said―

海に来たのはすごく久しぶりだった。
だから、
めちゃくちゃテンションが上がった。


とりあえず水着に着替えてみたのはいいんですが...自分の貧乳ぶりに改めて落胆したのは言うまでもない。


ってか!!
京香さんと胡桃がでかすぎんだよ!!
まぁ...いーや。



龍樹が、
『意外とにあってんじゃん』
って言ってくれたからあたしは満足した。



午前中は、ひたすら遊びまくった。
みんなで泳ぐ競争したり、
ビーチバレーしたり、
めちゃくちゃ楽しかった。

でも...


胡桃が龍樹から離れない!!
なんで!?
あたしが彼女だってわかってんでしょ!?
龍樹も龍樹であたしに構ってくんないし!?
京香さんと晴先輩は二人でどっか行っちゃうし!?


『凜ちゃん顔に出てるよ?』
伶雄がニヤニヤしながらあたしの顔を覗き込んだ。
『ん、んな!?なにがよ!?』

『別にぃ♪』
げっ...しまった。
逆効果じゃん...
ついつい、反応してしまった...



『まぁ、安心しなよ。龍樹は凜ちゃんにしか興味ないからさぁ。』
え...そうなんですか!?
あ、そうでなくちゃ困るけどさ...



『胡桃しつこいんだよねぇ。龍樹今まで、彼女とか特定の人作らなかったからさぁ。たぶん戸惑ってんじゃん?』
そっか...そうだよね。
今までの龍樹なんて、想像しただけで身震いするもん...
あたしは、少し離れた距離にいる二人を見つめた。


あ...そういえば。
『ねぇ、伶雄はなんで胡桃ちゃんをこの旅行に誘ったの?』
忘れてたけど、大事なことだった。

『ん?あー。胡桃がいくいくうるさかったから連れてきちゃった☆』
お前が誘ったんとちゃうんかい!!


でも、
確かに伶雄に誘われたって...
嘘なのかな。
嘘までついて、龍樹と一緒にいたかったのかな?
そうなると...
相当厄介だよね?


『ごめんね、凜ちゃん!でも、俺は信じてるからさー、二人の想いってヤツを!』
なんて、
伶雄にニコニコされながら言われたら、
なんて返せばいいかわからなくなる。


確かに、あたしの想いは変わらない。
でも、なんか自信ない。



龍樹は、あたしの前から居なくなったりしないよね...?
信じても...いいよね?



あたしは、
海の上に広がる青空を見上げた。
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