【短編】執事はいつも主人のそばに
「お嬢様、せっかくこんなに晴れているのに、いつまでも寝ていてはいけま
せんよ。」
私はこの人、執事佐久間悟史(さくまさとし)が苦手だ。
先週、前の執事が体調を崩し執事をやめることになった。
そして、この人が代わりということで来た。父の話によると外国の執事学校
を成績優秀で卒業したらしいが、
私にはそんなのどうでもいい!
父と一緒にいるときと、私と二人っきりのときの態度の違い!
「早く起きなさい。着替えて今日は出掛けますよ」
この命令口調!!
「え、出掛ける予定なんてあったけ?」
「昨日の旦那様のお話聞いてなかったんですか」
「その耳は何のためにあるのでしょうか」
そこまで言わなくても…
「で、どこへ行くんですか?」