愛を教えてくれた君に
波打つ心

-Kaizi-


学校に行く時間が迫っていた。

「母さん。俺あの子の家よってくわ。」

「わかったわ。あの子辛そうなら
 休んで言いわよ??。今日だけ特別!」

「まぁ様子見てみるよ。」

「休む場合連絡して?」

「おう。行ってくる。」

今日はやたら気が利く。

とりあえず加藤の様子を見に行こう。

「海司。」

この声は…。

「里菜。」

「昨日どうしたの?」

「奏多と一緒だった。」

「それでも今まではちゃんと返してくれてた。」

「悪い。これからは気を付けるよ。」

俺にくっついてくる里菜。

「ごめん。俺寄るとこあるから先に行ってて。」

「どこ?」

「今日はごめん。またな!」

俺は里菜を優しく離した。

里菜から逃げるように走った。

「海司!!!!」

その声も無視した。

里菜に加藤のことがバレたら。

里菜が大変なことになりそうで怖かった。

加藤の家の前について。

家に入ると何か大きな音がした。

ドンッッッーーーー

俺は中に駆け込むと、

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フラフラな加藤が何度も転びながら歩いていた。

「おい!?」

加藤はびっくりした様子で目を真ん丸にした。

「なんで?いるの?」

「ごめん。勝手にカードキー持って行ってた。」

「学校は?」

「今日は休むよ。お前病院に連れてく。」

「え?いいよ。」

なんでこんなにバカなんだ?

「親に休んでも良いって言われてんの。」

何か所か痣があるのが分かった。

「何回転んだの?」

「6時頃トイレ行ったときに何回か。」

「バカだな。」

俺は ソファーに座らせ飲み物を用意してやった。

少し恥ずかしそうな顔でありがとうっと笑った。

その笑顔は本物だった気がした。

ードキッ

俺の胸は大きく波を打った。

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