イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 油断ならないな。

 またあの男は現れるかもしれない。

「いいですか?兄と私の身体のサイズの話なんてしないで下さいね!本当のエロじじいになっちゃいますよ」

 桃華はかなりお冠だ。

 このまま怒らせておくのも楽しいが……。

「冗談だよ。お兄さんとは絶対にそんな話しない。桃華の秘密は俺だけのものだからね」

 にっこり微笑むと、桃華が俺の背中をバチンと叩いた。

「痛て‼」

「何をふざけてるんですか!私の秘密は私だけのものです」 

「そう?じゃあ、俺の秘密を教えようか?」

 俺は桃華の手をつかんで、彼女を正面から見据える。

 悪魔のような微笑を浮かべると、急に彼女が静かになった。

 空気を察して俺を警戒している。

 でも、悪いけど逃がさない。

 触れたくて仕方がない。

 触れずにはいられない。
< 184 / 311 >

この作品をシェア

pagetop