イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 この衝動……止められない。

「桃華が好きだよ」 

 真摯な目でそう囁いて強引に彼女を抱き寄せた。

 ハッと桃華が息を飲む。

 華奢な身体。

 ぎゅーっと力一杯抱き締めたら彼女の骨が折れそうだ。

「ちょっと、瑠海!何の冗談?離して下さい」

 俺の腕の中で桃華が暴れる。

「桃華、耳が真っ赤だよ。ねえ、顔見せて」

 俺が桃華の顔を覗き込むと、彼女は慌てて俺の胸にしがみついて顔を隠した。

 多分、自分でもわかるぐらい顔が赤いのだろう。

「駄目、駄目、絶対に駄目!」

「今、お面でも落ちてないかとか考えたでしょう?」

俺がそう言えば、桃華は急に口をつぐんで大人しくなった。

 図星か。
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