イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「あんたが私の婿になるならただでもいいよ」

 店主が瑠海を見てニヤニヤする。

「悪いけど、俺は売約済み」

 瑠海は突然私を抱き寄せると、私の髪にそっと口づけた。

「はは、こんにちは」

 苦笑しながら店主に挨拶すると、彼女はじっと私を見据えた。

「お嬢ちゃんが例の。うちの王子さんを幸せにするってあんたは誓えるかい?」

 私を試すような視線。

 瑠海は何も言わず静観している。

 私が瑠海を幸せにする?

 幸せって……一緒にカニ食べたり、一緒にケーキ食べたり、手を繋いで歩いたり……

 ふたりで過ごした時間はとても楽しくて……。
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