イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 だが、お局はなかなか引き下がらない。

「前田さんは日本人だったから相澤さんにも合ってたけど、やはり外国人の幹部はあなたにはまだ早かったんじゃないかしら」

「なら、桜井さんはこのメール読めますか?」

 お局にムカついた私は、瑠海から来たフランス語のメールを彼女に見せた。

 すると、お局が無言になる。

「これの英訳を瑠海に毎回頼めますか?イーサンは優しく英訳してくれるかもしれませんが、瑠海は読めないなら首にするでしょう。瑠海をお任せして、本当に良いですか?」

「……仕方ないわね。しばらく様子を見るわ。あなたは首にならないように気をつけてね」

 苦笑しながらお局は足早に去っていく。

「絶対に首にはなりません」
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