イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「へ?お前、そっちの趣味あったっけ?」

「あるか、馬鹿」

 ぺしっとイーサンを叩く。

「これからどうする?」

「予定通り、香港の店舗を視察する」

「夜は?」

 イーサンが恐る恐る俺に聞いてくる。

 さては……。

「お前とディナーでも良いけど?」

「え?あ、それはその……先約があって……」

イーサンは気まずそうに言葉を濁す。

 このうろたえ方。

 セーラ以外の女と会うつもりだな。

「女とデートか?セーラ以外の女と」

スーッと目を細め、彼を問い質した。

「あはは」

俺から目を逸らして乾いた笑いを浮かべるイーサン。

 図星か。

 笑って誤魔化すな。

「お前、そのうちセーラに愛想つかされるよ。その時、俺に泣きついてきても俺は何もしないからな」
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