イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「このまま持って帰りたいのですが」

「では、箱と保証書は宅急便でお送りしましょうか?」

「はい。それでお願いします」

 顔がにやける。

 今日から君は私のパートナーだよ。

 シャーリーに向かって心の中で呟く。

 店員さんがお会計を済ませると、値札や詰め物を取ってバッグを私に手渡す。

 革のいい匂いがした。

 やっと匂いに気がつくなんて、どんだけ私は舞い上がっていたのだろう。

 シャーリーを持って、今度は兄との待ち合わせ場所に向かう。

 シャーリーに会うまでは兄との約束は気が重かったけど、今はもうそんな些細なことはどうでもいい。

 夢が叶ったのだから。

 ショーウィンドーに映るシャーリーと自分を見て嬉しくなる。
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