イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 木村さんが私に向かって穏やかに微笑む。

「……はい」

 兄がいる手前、断るのは無理だろう。

 食事だけだ。

 食べて、瑠海の事をひたすら愚痴ればいい。

 でも、木村さんはやはり只者ではないと思う。

 あたりはソフトだけど、結局は相手を自分の意のままにする。さすが兄が勧めるだけあって、只者ではない。

 その後、木村さんと連絡先を交換し、兄と一緒に帰宅する。

「木村さんって……お兄ちゃんのお気に入りだけあるね。世渡り上手でしょう?」

「ああ。俺と違って敵は作らないな」

「そんな感じだね。……ねえ、お兄ちゃん」

「何だ?」

「女の人がパンツスーツとか着てると、男の人って身体のラインとか想像する?」

「フッ、お前のボスに言われたか。女だって同性でも綺麗な脚とか思うだろ?男はそれよりもっと深く妄想するだけだ」
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