イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
「……やっぱそうなんだ」

「裸を見られるわけじゃないし、下らない男の妄想なんて気にするな。お前はもっと自分に自信を持て。そんな顔してるとますますあの王子にからかわれるぞ。シャーリーがあれば何でも出来るんだろう?お前のシャーリーが泣くぞ」

「……うん」

「お前は昔から容姿とかの事を言われるとひどく逃げ腰になるな」

「だって……お姉ちゃんみたいにはなれないもん」

「京華とお前とではタイプが違う。お前は俺の妹だ。副社長だろうが、王子だろうが、お前は負けない。俺が保証する」

 兄は私の目を見てフッと微笑すると、ポンポンと私の頭を軽く叩いた。

 ああ、そうだ。

 小さい頃から何でも出来たお兄ちゃんは私のヒーローだった。

 今も昔もそれは変わらない。
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