イジワル副社長はウブな秘書を堪能したい
 お皿とかでも、私の服でも良かったのに。

 何でよりによってシャーリーなのよ!

 イーサンの馬鹿!

 馬鹿!馬鹿!馬鹿!

 拳を握って浴槽を何度も叩く。

 痛みは感じても、何かに当たらずにはいられなかった。

 あのシャーリーに出会うまで三年もかかったのだ。

 またお金を貯めても、いつまたあのシャーリーに出会えるかわからない。

 神様は残酷です。

 1日だけ夢を見させたなんて。

 酷すぎる。

 1日だけなら出会わない方が良かった。

 あの鮮やかな色、つや、革の匂い、感触……。

 忘れられない。

 1時間くらいお風呂にいたのだろうか。
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