Black World
特に話をするわけでもなく、その場で同じ時間を共有する。


手持ち無沙汰なはずなのに、来陽と同じ空間に居れるだけ充分だった。


そんな時間を、どれだけ過ごしたのだろう。


時間を確認すると、0時を回ろうとしていた。


「そろそろ帰らなきゃ」


そう口にすると、来陽は曖昧な相槌をする。


そして、ゆっくり視線をこちらへと向ける。


「もう、こんな時間なんだな」


消え入りそうな声で、独り言のように口にする。


「また、連絡するね」


小さく手を振り、歩みを踏み出そうとした時。


「絢瀬」


久しぶりに来陽に名が呼ばれ、私は振り返る。


「何?」

「俺のこと、嫌い?」


予想もしなかった問いに、戸惑う。

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