Black World
「あの、私のことだけですか?」

「うん?」

「さっき、ふとした瞬間に記憶が飛んで、忘れてたことさえ忘れる。って」


ふと疑問に思ったことを口にする。


「絢瀬さんのことだけじゃなく、最近じゃ日常的にあるみたい」

「そんな状態で、黒虎にいて大丈夫なんですか?」

「一応、抜ける準備はしてるみたいだけど。そっちの世界も色々あるみたいで、全然話がまとまらないみたい」


大丈夫なのだろうか?

だからと言って、今の私には何もできない。


「Black Magic」

「え?」

「ホントに存在するなら、黒虎を潰してくれないかなぁ。って。なんて、酷いよね。来陽の大切な場所を奪おうとするなんて」

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