Black World
確かに、酷いことなのかもしれない。


だけど今の来陽がいるには、場違いな場所だ。


彼女も、それを心配しているのだろう。


「絢瀬さんは、何も心配しなくて良いから」


彼女は、私は安心させるように微笑む。


「その代わり、約束してくれない?」

「約束?」

「幸せになって。世界中の誰よりも、幸せになって」


そんな真っ直ぐな言葉に、気付いたら頷いていた。


「あなたも、幸せになってください」


そう言うと、彼女は一瞬驚いた顔をし


「ありがとう」


そう、礼を口にした。


きっと彼女とは、もう会うことはないだろう。


それが私と来陽、彼女の幸せのためだと思った。

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