絶対に逃げられない部屋



美和の目は真っ赤に泣き腫らしていて。




左頬には大きなばんそうこう。



ちゃんとシャワーも浴びてないのだろう。



髪もぼさぼさの美和がベットの横で、僕の左手を必死に握りしめて座っていた。




「・・・・美和?」



「良かった・・・!!本当に良かった・・・!!」



彼女は僕の左の手の甲を顔に押し当てて、顔をしわくちゃにして、わんわんと泣いた。




一体、何が起きたというのだろう。



< 63 / 91 >

この作品をシェア

pagetop