絶対に逃げられない部屋
事故にいたる前の話をしよう。
美和と一緒に暮らし始めてもうすぐ一年経つが、彼女が家を出て行ったことは今までも何度もある。
その理由は僕の束縛が激しすぎると言うのだ。
彼女の言い分としては、勝手にメールのチェックをしないで欲しいし、捨てたゴミも一つ一つ何を捨てたのか確認するのもやめて欲しいという。
彼女が出て行ったあの日。
僕は水を張ったお風呂に何度も美和の顔を沈めて、いつものように彼女の反省をうながしていた。
僕は彼女がバイト先で悪い虫がつかないか確認するために、よく彼女のバイト先のレストランを監視しにいくのだけれど、その日彼女は男の同僚と一緒に帰っていたのだ。
彼女は帰り道が一緒だから一緒に帰っただけというが、あの男の視線が美和の身体をなめくじのように這ったのではないかと思うと、美和が汚されたようで許せなかった。