最低王子と恋の渦





「…まあ美乃がそう思うならそうなのかもねー」








菜々はそう言って親子丼の最後の一口を口に入れた。






…三鷹くんに他に好きな人がいるって分かってるこの状況で私に出来ることってあるのかな。


私、三鷹くんに振り向いてもらえる?





……想像すら出来ない。











「で、これからどうすんの?」



「……とりあえず、今まで通り接します…」



「それがいいと思うわ私も」









割と最近仲良くなれてる実感はあるし、

何より三鷹くんが前より優しくなってる気がする。



だから以前のような罵詈雑言を叩きつけられるようなこともないはず。




…はず。












「…これで川平くんも完璧に振られるわけね」



「……あ」
















…友也…か。



そう言えば、また告白し直すって言われたから結局ちゃんと返事出来てなかったんだよね。




三鷹くんのことが好きだと自覚した今、私は友也をキッパリ振らなければならないのだ。








…振られた経験があるから分かるけど、


失恋ってすごく辛いんだ。





それを今度は私が友也にする…。


友也を悲しませることをする…。







……ごめん、友也。






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