最低王子と恋の渦





――――――――――――
――――――……





遊園地を後にし、私達は仲良く肩を並べて帰宅した。


辺りはすっかり暗くなっている。







「美乃、今日はありがとな!」



「ううん友也こそ、ありがとう」



「おう!そんでもって誕生日おめでとう!」







…ハッ。


そういえば今日は私の誕生日だった…。






「ありがと!今日ほんとに楽しかった」



「そっか、なら良かった!」





白い歯を見せて笑う友也は、最高の幼馴染だ。



私はつくづく幸せ者だなぁ。






「美乃も三鷹のこと頑張れよ!」



「え」



「美乃には幸せになってもらうからな!責任取って頑張れ!」






せ、責任て…。


でも、これも友也なりの気遣いなのかな。




そして私は微笑んでガッツポーズを作る。





「分かった。頑張るっ」



「おう!」






友也もガッツポーズで返してくれて、私達はお互いに笑い合った。






「じゃあまた学校で!」



「うん、おやすみ友也」



「おやすみ美乃!」






そうして私達は最後に手を振り、それぞれの家へと入っていった。



こんなに楽しい誕生日は初めて。


振った私が言うのもあれだけど、友也には幸せになって欲しいと心から思った。




< 210 / 347 >

この作品をシェア

pagetop