最低王子と恋の渦
*パールブルー

プレゼント







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――――――……




「あ、おはよー」




朝、教室に入ると私の席に菜々が座っているのが目に入る。

「おはよう」と私も返しながら自分の席に近づくと、菜々は隣の三鷹くんの席に移動した。


…あれ?





「三鷹くんは…?」



「んー?まだ来てないんじゃない?」





…へぇ。


三鷹くんが私より遅いなんて珍しいな。






「どう?誕生日は楽しめた?」



「…うん。楽しかった」



「うんうん。やっぱり行くべきだったんだよ」



「…はいはいありがとうございました」





ちゃんと感謝してるのにこの恩着せがましい態度がいちいち気に障るなぁ…。


私は机に上に置いた鞄から筆箱やノートを取り出しながら自分の席に座った。





と、






「…邪魔なんだけど」






その声に思わずハッとして、私は顔を向ける。


そこには真顔で菜々にガンをとばす三鷹くんが立っていた。



…み、三鷹くん…。






「あらら、今日は遅い出勤ですね三鷹氏」



「何その意味不明な設定とキャラ。気持ち悪い関わらないで」





毒舌具合も朝から絶好調のようです。


菜々が三鷹くんの席からどくと、三鷹くんは鞄を机に置いて席に着いた。






「……」



「…あ、田中さんおはよう」



「え、あ、おはよっ」





…どうしよう。


挨拶されただけで嬉しい。

重症だ。



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