最低王子と恋の渦





…夢?



私今ちゃんと起きてる?






ふと、三鷹くんはそんな挙動不審な私を見て涼しげに笑った。






「その様子じゃ全く気付いてなかったんだね」



「…そ、そりゃだってつい昨日まで三鷹くんは藤本さんが好きなんだと思ってたから…」



「俺も昨日田中さんの気持ちを確信したよ」



「…?それは私のこと好きだって気付いたのが昨日ってこと?」



「そうじゃないよなんでそうなるの。

田中さん自身の俺に対する気持ちだよ」






私自身の三鷹くんに対する気持ち…?




…??















「田中さん、俺の事好き?」
















涼しげに微笑む彼は、



もう一生勝てる気がしないくらい無敵に見えた。








私はそんな三鷹くんにやられて、



言うつもりなんてなかった言葉を言ってしまう。















「……好き…」











きっと今の私の顔は真っ赤だ。



恥ずかしいしなんだか悔しいので私はぐっと俯く。





しかし三鷹くんはクイッと私の両頬を手で軽く挟んで顔を上げさせた。





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