最低王子と恋の渦








   *   *   *



――――――――――――
――――――……




「…んぁ」




目を覚ますと、ぼやけた部屋が視界に広がった。


朝よりは頭痛がマシになってる…。



時間を確認すると、時計は15時を指していた。



うわ…いくらなんでも寝過ぎでしょ私。




「……下降りよ…」




私は小さくそう呟いて、一階へ降りるべくベッドから降りる。

よたよたとした足取りでなんとか階段を下りると、家には誰もいなかった。


リビングのテーブルには、お母さんの書き置きが一枚ある。




〈冷蔵庫にリンゴ剥いてあるから食べてね〉




リンゴ…。


ぐうと鳴り出すお腹に、私は少し恥ずかしくなった。


食べ物の名前聞いてすぐお腹鳴るなんて…。

まあ今日何も食べてないしね。



そして私は冷蔵庫から切られたリンゴを取り出した。




と、その時。





――ピンポーン





家のインターフォンが突然鳴り出す。


え…こんな時に来客…?


私はよろよろとしながら玄関へ向かった。





< 46 / 347 >

この作品をシェア

pagetop