続♡プリンセス☆ロード
今夜も、なにもなかった。
ホッと肩を下ろす。
「ちゃんと、眠れてないんじゃないか?」
「リュウ…」
「顔が、疲れてる。無理もねぇか、両手縛って不安の中眠るんだもんな」
リュウこそ、眠っていないんじゃない?
夜は私が寝付くまで側にいて、朝は私が起きた時にはもう起きている。
ちゃんと、眠っている?
「待ってろ、縄、ほどくから」
「…ごめんね、リュウ」
「ん?紗南が謝ることなんて何もないだろ?なに言ってんだよ」
「でも、リュウにはリュウの国があるのに…」
自分の国をあけて、ずっとここにいる。
一国の王としては、あまりよくないことなんではないの?
それなのに、私のためにいてくれる。
「少し城を空けたくらいで文句を言うような人はいねぇよ」
「でも…」
「俺が信じられねぇの?俺が作り上げてきてる国が信じられねぇ?」
まっすぐ投げられた言葉。
リュウが作った国。
「うん…。そうだね…、ごめん。ありがとう…」
パラリと縄が落ちる。
その瞬間、ズキッと激しい頭痛に襲われた。