続♡プリンセス☆ロード



王として、この国を束ねるものとして必死に走り抜けてきた。
それが、自分の役目だと信じて。

でも、そうだ。
王である前に、一人の人間であり、一人の男。
紗南の事を愛する一人の男であることを、すっかり忘れていたように思う。





「リュウ、頼みがある。紗南を探してくれないか」

「もちろん」





リュウは、力強く頷くと部屋を飛び出していった。



「俺も行く!リュウ、待って!」




変わらないものはある。
それは、仲間だったり、絆だったり。


立場はそれぞれ変わっても、それは変わらない。


紗南は、それを求めていたんだろう?





「気づいてやれず…すまない…」

「レン…。そうですね。僕も、もう少し肩の力を抜くことにします」

「…なんだ、それは」

「レンは、僕がいないとすぐ紗南さんを傷付けますからね」

「な…、あのなあ…」




ソウシが、にっこりと笑う。
その笑みには有無を言わさぬものがあり、レンは顔を引きつらせる。

そう言えば、昔からソウシには敵わないのだ、と思い出した。





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