続♡プリンセス☆ロード



「そんな顔をするな。どんな理由があろうと、誰かを陥れようとするものは許しておけない」

「ロイド…」

「かつて、俺がそうだったからこそ思うんだ。憎しみは何も生まない」





憎しみは、新たな憎しみを生むだけ。
人間も、悪魔もそれを思い知らされてきた。
だからこそ、その恨みは断ち切らないといけない。




「そうだよね…。私、クヨクヨしてちゃだめだよね」

「ようやく、紗南らしくなってきたな」

「ロイド、ありがとう!私、目が覚めた!」





嘆くよりもまずは動け。
まだ何かできることがあるはず。

なにもできなくても、我武者羅に前に進めば、切り開ける未来はきっとある。




だって、できた。
こうやって笑顔で囲える食卓ができた。
種族も関係なく、笑いあえる関係ができた。


まだ、改善は必要だけど、大きな前進だよね。




だったら、変えられないものはないかもしれない。
変わっていくことを嘆くよりも。
変わらない何かを求めるよりも。



もっと他に、やるべきことがあるはず。






「私、これでいいんだよね」

「お前が信じるなら、間違ってはないさ」

「うん」





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