続♡プリンセス☆ロード
story3 親心

第11話 『俺たち、紗南ちゃんからそんな人たちや生きてきた国を奪ったんだよね』



少しだけ、穏やかな日々が戻ってきていた。
予断はできない状況ではあるけど、ずっと気を張っているのもよくないだろうと、レンたちも時々リフレッシュしようといろいろと誘ってくれる。


この前は中庭でお茶をして優雅な時間を…。
なんて、すぐにいつものワイワイ騒ぎになって優雅どころではなくなったけど。



そして今、私は部屋で一人の時間を過ごしている。
心配性のレンは、誰かを側につかせようとしてくれるけど、みんなそれぞれ忙しい。
だから、大丈夫と言い聞かせ、やめてもらった。
何かあったら大声出すから、と約束をして。



私はクローゼットの奥から少し大きめの箱を取り出した。



私の思い出が入っているその箱。
箱の中には、私が住んでいた元の世界から持ってきたものが入れられている。
初めてこっちに来た時に着ていた制服に、鞄。
もう電源なんて入っていない携帯電話。

ここでは使い道のないお札の入った財布に、ここでは使えない予定が書かれてある手帳。
そこに挟まれている写真。


見ると思いだしてしまうから、いつもはこの箱に入れて奥にしまっている。



銃の話をして、元の世界の事を思い出してふと見たくなった。





「お母さん…」




唯一入っていた家族写真。
笑顔で写る私たち家族。



お父さん、お母さん、心配してるかな…?
置手紙ひとつで出ていった娘を、許してくれるかな?




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