続♡プリンセス☆ロード



「ここは、俺のアジトみたいなところ。隠れ家だよ」

「…どうして、どうやって私を!」

「落ち着きなよ。質問に答える時間はたっぷりあるんだから」




仁は落ち着いた様子で私の前に来るとしゃがみ込み、私と目線を合わせた。
私は、仁を睨みつける。




「ほんと、威勢がいい王妃さまだね」

「触らないで!」



仁の手が私の顎を掴む。
逃れようと顔を振ると、頭がくらくらする。



「輸血を必要とするくらい血を流した後なんだから、大人しくしないと」

「…っ、それも、あんたのせいなんでしょ」

「クスクス」




仁は、質問に答えずただ笑う。
それが、答えなんだと思う。




「ほんと、すべてが思うとおりに動いてくれて嬉しいよ。本当に、扱いやすいね、君たち人間は」

「どういうこと」

「次々に問題が起きていけば、隙は容易くできるということ。だから、君を浚うのも容易かったよ」

「…っ、ユキちゃんもあなたの…」




あんなに、いい子だったユキちゃん。
そんな彼女をたきつけたのは、あなたなの!?






< 221 / 310 >

この作品をシェア

pagetop